「髪の毛より細い穴」をあける機械加工の便利屋
株式会社ダイニチ
グローバルな会社経営が求められる中、 国内の多くの競争相手の中でナンバーワンになるのは難しいけれど、 他社がやらない分野でオンリーワンになるのは比較的簡単だと思いますよ。
「髪の毛より細い穴」をあける機械加工の便利屋
株式会社ダイニチ
グローバルな会社経営が求められる中、 国内の多くの競争相手の中でナンバーワンになるのは難しいけれど、 他社がやらない分野でオンリーワンになるのは比較的簡単だと思いますよ。
「誰も手掛けない」=「自社が手掛けるチャンス」
1980年代後半、コンピュータなどの普及に伴い機械の軽薄短小化が進む中、小型形状の機械部品の試作・開発依頼が増えた。小型かつ複雑な部品加工が必要で、納期を守るのも容易ではなく、同業者が二の足を踏む中で、ダイニチは「誰も手掛けない分野ならオンリーワン企業になりやすく、グローバル競争で勝ち残れる」と発想を転換。「小物複雑形状−深穴−ホーニング加工」という3つの工程が絡み合う高付加価値のモノづくりを実践するようになった。
“髪の毛よりも細い直径0.02mmの穴加工”“直径32mmで最大2mの深穴加工”“チタン・ステンレスなど材質を問わない加工”など、高度な技術で、他社のできない仕事を引き受けることで、ダイニチの名は広まった。ユニークなホームページ「アナ(穴)物語」では、保有する技術・技能を分かりやすく情報発信し続けている。
「応用範囲を見抜いた上で、他社の導入できない工作機械を先行導入し、お客様の技術的課題を他社に先行して解決する」というのが、ダイニチのモノづくり哲学である。工場には、高価な複合工作機械が並ぶが、操作しているのが熟練の職人ではなく、平均年齢20歳代の社員であることに驚かされる。あえて若い社員に難しい微細加工技術に挑戦させ、失敗も咎めない。
未来をつかめ! Gifu Hand
1994年、ダイニチをはじめ中小企業6社が特徴を持ち寄って新事業を展開することを目的に異業種交流を開始。人間による作業が難しい危険な場所(原子力発電所内部や宇宙空間)でのロボット作業が注目を集める中、人間と同様の細かい作業を実現する「人間型ロボットハンド」の需要が見込まれることに着目し、1996年度に岐阜県研究開発財団の助成を受けて岐阜大学工学部・川崎研究室と“岐阜ロボットハンド研究会”を組織した。
2001年12月には、ついに開発第3フェイズとなる「Gifu Hand V」の販売を開始した。ダイニチの得意とする超微細加工技術が世界的にも例がない5本指自在のロボットハンドを可能にした。その滑らかな動きには感動すら覚える。最先端のロボット研究者から注文が入るなど、国内オンリーワンの技術力を実証し、「ダイニチならできる」という信頼を一層強固にしている。
会社概要
※データ・内容は2007年5月現在のものです。