2002年度顕彰企業のご紹介モノづくりブランドNAGOYA

「職人技を生かす」畳製造機が伝統を支える

東海機器工業株式会社

日本の風土と長い歴史に育まれた「畳」。
日本人の礼儀作法のルーツともいわれる和室に欠かせない「畳」。
日本が誇る「畳文化」を技術で支えていくのが私たちの使命です。

畳店の減少をビジネスチャンスに

家内制手工業の形態を取ってきた畳店は、畳職人の不足などから、省力化・省人化を迫られた。東海機器工業は、「畳職人の技術を全自動の畳製造機械に置き換える」ことを畳店に提案し、畳製造機のトップメーカーの地位を築いた。

畳職人は、物差しを使い1厘(0.3mm)単位で寸法を計るほか、「甘め(=小さく)」「強め(=大きく)」といった感覚に基づいた独特の微調整を行う。東海機器工業は職人のカンとコンピュータ制御の融合を実現した。

販売後も“安全と安心を買っていただく”をモットーにメンテナンス・フォローに注力し、「機械で作った畳」を認めない職人もいた中、「畳機械は東海機器工業」との評価を獲得していった。

「健康畳店会」で、新たな市場を創出

近年、洋風家屋の普及などにより畳の需要は減少している。「機械を売る方と買う方」という従来の畳店との関係を、「共に畳業界を盛り上げるビジネスパートナー」へと捉え直し、全国ネットワーク「健康畳店会」(会員数約900店)を結成。畳との付き合いが薄い顧客層へのPR活動や、「畳店活性化セミナー」を通じて、住環境コーディネーターの育成、ISO認証取得などを支援し、畳を 通じた安全で快適な空間づくりを提案する。

畳表にデニム生地を使い和風の部屋を洋風に一変させる「デニム畳」、医療・福祉現場で汚れても気軽に「洗える畳」などは、健康畳店会の活動の中から生まれた製品だ。

大学との共同研究では、シックハウス症候群の原因となっているVOC(揮発性有機化合物)を畳が吸着し、室内の空気を浄化することを確認するなど、新製品開発に意欲的である。藁を乾燥させる技術は、フトン、ベッド、車椅子など施設・病院の消毒乾燥機やインスタント食品の具材野菜乾燥機へと進化・発展を遂げている。

東海機器工業株式会社・製品

会社概要

社名
東海機器工業株式会社
本社所在地
〒452−0822 名古屋市西区中小田井2−300
TEL:052−501−9321
FAX:052−503−6736
URL:http://www.tokai-kiki.co.jp
E-mail:horiuchi@tokai-kiki.co.jp
代表者
内藤 誠治(ないとう せいじ)代表取締役社長
創業
1959年
資本金
6000万円
従業員数
110名
海外拠点
中国
売上高
20億円(2007年4月期)
事業内容
畳製造機械、乾燥機の製造販売
オンリーワンナンバーワン技術、シェア(国内)
畳縁自動縫着機(60%、1位)
畳床製造機(90%、1位)
ISO
ISO9001認証取得(2001年)

※データ・内容は2007年5月現在のものです。